後から知る事実は胸を締め付けるもの。
何度も、何度も、何度も、何度も!!!
別れはその人が決めたこと……だけれど、後から聞く方の身にもなって!!!
目頭が熱くなって堰を切ったように涙が溢れる。
私は手のひらを伸ばしたけれど、虚しく空を掴むだけだった。
届かない。
いつも、届かないの。
空を掴んでいた私の手が、誰かに取られる。
「――ちゃん!!」
悲痛な声が耳に入って、私は目を覚ました。
「大丈夫!?」
恋人が私の顔を真剣な顔で見つめている。私の手を彼がしっかりと握っていた。
ボロボロとこぼれる涙がとめどなく流れて止められない。そして彼の胸に飛び込んだ。
彼は何も聞かずに私を力強く抱き締め返してくれる。
「俺は……そばに、いるから……」
絞り出すような声、そして彼の温もりが私の精神を落ち着かせてくれた。
おわり
三一七、涙
3/29/2025, 2:40:44 PM