哀愁をそそる秋の終わり。
神社の隣の、紅葉がつくる道。
来月2歳になる息子を抱っこして、
今年もその道を歩く。
去年は、5歳の娘と手を繋いできたな。
今年は、娘は妻に預けてるけど...。
「なあ、ねえねと来たかったか?」
「やや!ねえねといたかった」
多分、娘が居ないのが嫌だという意味だろう。
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「来年は、家族全員で行こう。
あなたが3人目を産み終わったら。
あなたと、息子と、娘と、3人目の子と、僕の5人で。」
そう言うと妻は微笑み、涙を流した。
おでんのたまごが大好きで
コンビニに行く度買ってたこと、
幼稚園が嫌で、ずっと泣き叫んでたこと、
弟が産まれて、毎日可愛がっていたこと.........。
これから先も、忘れられない思い出。
1年前に亡くなった
大切な娘との、5年間。
来年はきっと、5人であの道に――。
『哀愁をそそる』
11/4/2022, 11:24:16 PM