ささほ(小説の冒頭しか書けない病

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「六月の夜の都会の空、そうそれは素敵ね」とたいして素敵だと思ってない顔で彼女がいう。街の夜空は明るくて星があまり見えないので彼女は街が嫌いだ。そのくせ淋しがりの彼女は夕暮れちょっとすぎにこのバーにやってきてマンハッタンを注文する。ウイスキーに甘味と苦味、ぼくはいつものようにマンハッタンを作り彼女の前に置く。彼女は美の女神、街におりてきたヴィーナス、街の夕空で孤独に輝く金星の化身もたまには酒を飲みに来る。

6/11/2024, 10:27:19 AM