かたいなか

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前回投稿分のおはなしから、「まだ続く物語」。
つまり、昨日の続きを語ればすぐに、お題が回収できるのです。なんというボーナスステージ、
と、余裕ぶっこいておったところ、気が付いたらもう15時の物書きです。
今回はこんなおはなしの、はじまり、はじまり。

「ここ」ではないどこか、別の世界で、美しくかぐわしい花見の祭りが大々的に開催中。
お題回収役のビジネスネーム「ドワーフホト」は、不思議な稲荷子狐と一緒に、
ガラガラ、がらがら。
祭りの屋台の食べ物を、あれください、これくださいと集めて渡って渡り鳥。
大量に仕入れたその後は、良い香りの花に囲まれた飲食スペースで、それらを広げて楽しみます。

「光水晶の砂糖菓子〜、氷薄荷のハ〜ブティー」
「いいニオイのおもち!いいニオイのおニク!」

それ食べよう、これ切り分けよう。
いやいや、これとそれを、一緒に食べてみよう。
ドワーフホトと子狐は、美味しいものの味も匂いも、舌触りも喉ごしも、全部含めて大好き!
買ったもののいくつかは、イタズラカラスやイタズラわんこに盗み食いなどされているようですが、
もぐもぐ、ちゃむちゃむ。
それら含めて幸福に、食事を楽しんでおりました。

え?お花?花見?ソウデスネ(棒読み)
でも、花見の花が咲かせる良い香りは、良い食事の雰囲気スパイスに、丁度良いようでした。

ところで今回のお題は「まだ続く物語」。
前回投稿分のおはなしが「続く」ワケですが、
その前回分には居たハズの、ドワーフホトの大親友、「スフィンクス」が行方不明。
はて、どこに行ったのでしょう?

「いや、『どこ行った』って、馴染みの屋台探してたんだけどよ。見つかんなくてよ」
10分ほど迷子だった、ドワーフホトの大親友、俺様系最強生物のスフィンクスです。
「みかんジャムケーキをみかんピール増し増しで盛ってくれる店が、去年まで出てたんだけどよ。
今年居ねぇの。俺様食っちゃったのかな」

いっぱい探したんだけどよ。居ねぇんだよ……。
スフィンクスはしょんぼりして、ドワーフホトと子狐の、場所取り済みな場所に戻ってきます。
手にはたっぷり、いろんな世界のミカンを使った、
暖色系どっさりなスイーツ、お肉、ツマミ、酒。

「コレうまかった」
スフィンクスがドンと出したのは、あらゆる世界、あらゆる選択肢のミカンを集め作られた果実酒。
「ココに一味と山椒を少し」
甘くて辛いミカン酒は、お肉料理にピッタリ。
「こちらオレンジソースたっぷり焼き豚」

輝くナイフで切り分け、美しいお皿に盛り付けて、
さぁ、どうぞ。俺様の宝物と俺様のゆたんぽ。
「コンちゃんはまだ子供だから、お酒ダメェ」
「やだ、キツネ、のむ、キツネものむ、おさけ」
「大人になったら、一緒に飲もうね〜」

お酒とジュースと、メインディッシュが5種類、
主菜8個に副菜5個、
それから固さも柔らかさも味も別の主食が8個。
そこにスフィンクスのお土産を合流させて、
コンコンこやこや、お花見パーティー再開です。

「スフィちゃんが楽しみにしてた屋台さぁ」
「おん」
「今年〜……どうしたんだろうねぇ」
「んー。やっぱ、俺様が食っちまったのかな」
「まっさかぁ」
「いや、ワリと本気だって」
「またまたぁ〜」

さぁ、みんなで「いただきます」。
「スフィちゃん、そこのパンとってぇ」
「ほいさ」
スフィンクスとドワーフホトと、それから稲荷子狐の物語は、まだまだ、続きます。
だけどスフィンクスが今回のおはなしで探していた屋台は結局、最後までオチが行方不明のまま。
しゃーない。 しゃーないのです。

5/31/2025, 7:35:03 AM