『伝えたい』
菓子パンの包装をびりりと破いていざかぶりつこうとするとどこからか視線を感じる。いつの間にか近くに寄ってきた飼い犬がキラキラした目をこちらに向けていた。人が食べているものを食べてはいけないというしつけはちゃんとしているので奪い取られるようなことは無いけれど、どうにも落ち着かない。ひとくち食べふたくち食べて様子を伺うと真っ直ぐな期待のまなざしと視線が合ってしまった。最近体重が増えがちではないかとか、昨日もおやつ貰ってたよな、とかいろいろと考えは過ぎるのだが、片手に菓子パンを持ったまま足は犬のおやつ置き場へと向かってしまう。犬はすかさず脇に付いてきた。
2/13/2024, 4:04:36 AM