任務の帰り道、レノが運転するバイクの後ろに跨り帰路につく。
通り過ぎる景色の中、陽の光に合わさって彼の赤い髪がキラキラ輝く。
「綺麗」
正面から見ると短そうに見えるけど後ろは私より長い髪。
大して手入れをしていないという割には指通りも良くサラサラと指からすり抜けていく。
「おい、しっかり捕まってないと落ちるぞ、と」
運転中に自分から離れたのを気にしてエンジン音に負けない声が降ってくる。
「はーい」
腰に腕を絡めて落ちないよう、力を入れる。
彼の髪が自分の指にかかった時、なんだかそれが赤い糸の様に見えて心がくすぐったかった。
-赤い糸-
7/1/2024, 7:40:02 AM