月影若葉

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アンソニーは星が多く見える世界に居た
この世界には人間は居ない
星空が広がっているだけの世界
朝や昼は永遠に来ることがない

星がよく見える場所で仰向けに寝転んでいた
ただ空を見つめるだけの時間
風の音と虫の音が聞こえる
「あ、あの星もうすぐ消えそうだな〜
結構気に入ってたんだけど、まぁ仕方ないか。」
アンソニーがそう呟くと、例の星は消えてしまった
寿命だったのだろう
「僕もいつか、あの星みたいに消えちゃうのかな?
そもそも今の僕は異形だから死ぬことはあるのかな?」
アンソニーの周りには、かつて異形ネビルの身体から出ていた黒い液が漂っていた
自身の負の感情が高まると現れるそうだ
液が漂っていることを気にも留めず、アンソニーは、ただぼんやりと空を眺めていた

10/16/2025, 2:42:06 PM