「最初に思いついたのは、食い物の『保存方法:直射日光を避けて保存してください』だわ」
直射日光を避けるっつーことは、日陰だもんな。
某所在住物書きは、昨日投稿分の「イタズラクッキー」の元ネタを見ながら呟いた。
「直射日光、高温多湿を避けて保存してください」とのことである。要は日陰であろう。
食い物ネタが書ける。食い物ネタは、この物書きの十八番である。
何故食い物は食い物でも、「ミカン休暇」なんて不思議ワードの話が完成したのか。
「要は去年の12月1日投稿分なんだわ……」
さて、次回のお題、何になるかな。
物書きは謎ワードの解説を、過去作12月か、あるいは次回配信分のお題に、丸投げすることとした。
――――――
陽光当たらぬ日陰の職業と聞いて、真っ先にスパイや諜報員を思い浮かべる物書きです。
今回は厨二ふぁんたじーな組織の諜報・工作部門のおはなしをご用意しました。
「ここ」ではないどこかの世界に、「世界多様性機構」という、厨二全開な団体がありまして、
滅んだ世界の難民を別世界に密航させてあげたり、発展途上の世界に先進世界の技術を導入して一気に文化レベルを上げてやったり、
共助共栄、困っている世界を見捨てないことを団体理念として、日々カッツカツの資金を、やりくりしておったのでした。
多様性機構にはお金がない!!
すべては敵対組織、世界の独自性と独立性を重んじる「世界線管理局」のせいなのです。
今回のおはなしのお題回収役は、世界線管理局に忍び込んで情報収集や妨害工作なんかをする、
まさしく「日陰」の部門、世界多様性機構の特殊潜入課、略して「特潜課」のおはなし。
「日陰」のお題のわりに、
明るい日向のような名前の隠語というか、
都市伝説みたいなワードが、存在するようで。
すなわち、「ミカン休暇」というそうです。
「最近、特潜課からの人員補充と給料アップの要請が多過ぎる!どうなってるんですか」
組織の日陰で活躍する部署、特潜課の偉い人に、金融課と人事課の偉い人が言いました。
「難民支援にも、支援のための『領事館』にも、閉鎖世界へ難民救助のために出動する部隊のためにも、膨大な資金と人員が必要です。
なのに特潜課は、人員を入れればすぐどこかに消えるし、成果もあまり上がってきていないし」
「ウチには『ミカン休暇』が多くてですね」
怒りカンカンな日向の部署、金融課と人事課に、
日陰の部署、特潜課の偉い人、言いました。
「管理局の連中に見つかった部隊は根こそぎ、管理局の悪魔にミカンにされて、強制的に『ミカン休暇』をとらされてしまうのです。
ミカン休暇に入れば、九割九分、帰ってこない」
だから、特潜課は万年人員不足なのです。
真面目な顔して、特潜課の偉い人、言いました。
ミカン休暇とは、何でしょう?
金融課も人事課も、ジョークか何かと思って、ちっとも本気にしません。
「本当ですよ」
それでも日陰の特潜課、言うのです。
「嘘じゃない。管理局に捕まった機構の人間は、半数が、ミカン休暇となるのです」
特潜課の他の職員も、
うんうん、そうそう、それよそれよ。
深く頷いて、ひそひそ、話をしています。
ミカン休暇は、広く特潜課に信じられているようですが、人事課も金融課も「それ」が「何」なのか、サッパリ、わからないのです。
「気になるなら、実際に行ってみればよろしい」
日陰の特潜課の偉い人が、ニヤリ、日陰らしい影をさした笑顔で金融課と人事課を誘います。
「明日か明後日にでも、どうですか?
管理局へのエスコートなら、引き受けますよ」
金融課と人事課の偉い人、双方が双方と顔を見合わせて、難しそうな顔をして、
「……そう、ですね」
渋々、しぶしぶ、特潜課のブースから離れます。
「部署に持ち帰って、検討します」
ともかく!
特潜課の方でも節約につとめてくださいね!
負け惜しみのように声を張って、金融課と人事課の偉い人は、帰ってゆきました。
「なんですか、『ミカン休暇』って」
金融課と人事課が帰った後、特潜課の新人さんが先輩職員に聞きました。
「ん?おまえ、知らないのか」
日陰の先輩、新人に怖い笑顔で答えます。
先輩職員が言うことには、
「俺達の潜入先、世界線管理局には、『管理局の悪魔』が居るんだ。
管理局の悪魔は、経理部のコタツに住んでいて、24個と1個の使い魔でもって、俺達のようなスパイを探している。
見つかったら、最後。 その悪魔に俺達は、情報を抜かれて、文字通り、ミカンにされるんだ」
「ぇえ……??」
特潜課の新人さん、金融課や人事課の偉い人と同じように、信じていない様子。
彼が「ミカン休暇」の真実を、
次回投稿分のおはなしで理解するか、
そのまま「ミカン休暇」の真相が過去投稿分12月1日投稿分に丸投げになるかは、
1月31日に配信されるお題次第……
おしまい、おしまい?
1/30/2025, 4:42:46 AM