躰は前に進みたがっていたが意志は後ろに進もうとしていた。
わたしたちはふたりでひとりだというのに時々意見が分かれてしまう。
秋の落ち葉のように積もった不満はやがて小さな火の粉になり積もった落ち葉に引火してしまった。
「もういい、わたしは前に進む。おまえとはここでお別れだ。」
躰は強引に魂を引き裂き前へと歩いてしまった。
「それがおまえの選択ならばわたしは過去に囚われて生きていくとする。」
意志は引き裂かれた魂の半分を持って躰とは反対の道へ歩いて行った。
#岐路
6/8/2023, 12:22:30 PM