夜行バスに揺られ
たどり着いたのは
家から程遠い場所。
木漏れ日が多くて明るい森の奥まで
少し歩くと、
小屋が見えてきた。
ノックをして事情を説明し、
中に入れてもらう。
そこはまさにオアシスだった。
沢山の魔導書に、
魔女の家あるあるの大鎌、
何かの調合のメモが貼ってあった。
そう、私がここまで来たのは
不老不死の薬を作り
自分で飲んだ魔女がいると聞いたから。
別に私には
不老不死になろうと思ったことに
そこまでの理由はない。
特に大切な人がいる訳でも
死にたがりな訳でもないので
なんとなーく不老不死で
何千年か生きちゃいますかーって感じで、
だらだらと生きていようと思った。
魔女さんは薬を飲んだ時が
15、6歳の少女だったからか、
身長の成長も止まり
少し背が低い。
けどまあ、
肉体の歳が近いっちゃ近いから
話しやすいのはある。
魔女さんにとっても不老不死は
そこまで必要な物じゃなかったらしい。
ただの魔法バカで
調合大好きマンで
寝ないで作業してたら
体調を崩してムカついて
不老不死の薬を作ったんだとか。
けど魔女さんも
衝動的にとはいえ
えぐいものを作ってしまった自覚はあるようで、
そこまでホイホイ
人には教えないようにしていると。
私は国家転覆やテロなどは
起こすような人に見えないから
全然おっけーと言って、
小屋に着いてから30分ほどで
もう不老不死の薬を出されてしまった。
"Good Midnight!"
飲んだ後に身体に異常は特に無いけど、
これで
何千年も生きていくのかと思うと
1回くらいノーベル賞でも取りたいと思った。
7/27/2025, 5:14:21 PM