『後悔のない人生なんてないんだ! だからこそ、俺たちは今を一生懸命生きるしかない。そうだろ?』
「ねぇ、こうかいってなに~?」
「後から悔いること。……そうだな、例えばの話だが。俺が右手と左手どちらかにお菓子を持っているとする。お前が当てられたらそのお菓子をやろう。どちらを選ぶ?」
「んー、みぎ!」
「では右手を開けよう。右手にはキャンディが一つ入っていた」
「やったぁ!」
「しかし、左手にはチョコレートが五つ入っていたとしよう。どう思った?」
「そっちにすればよかったぁ……」
「そういうのを後悔と言う」
「なるほど~! でも、どっちがいいのかわかったんでしょ? じかんをもどしてやりなおせばいいのに」
「それができるのはお前くらいだよ」
「え、そーなの!?」
「お前、俺が時間を戻したの見たことあるか? 俺じゃなくても、漫画とかアニメなんか以外でそんなやつ」
「んー? いないかも」
「だろう。……まぁ、いたら困るしな」
「?」
「いや、何でもない。ところでお前、そろそろ寝る時間じゃないのか」
「あ、ほんとーだ! じゃあ、おやすみなさい!」
「あぁ、お休み」
「俺は、いつになったらお前を元に戻してやれるんだろうな」
5/15/2023, 11:27:07 PM