かたいなか

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前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織がありまして、
ここの収蔵部のドワーフホトお嬢さんと、経理部のエンジニア・スフィンクスは、大の仲良し。
このたび前回投稿分で、ふたりが出会った年のお酒が手に入りましたので、
おいしい料理やお菓子と一緒に、それを楽しむことにしたのでした。

「金箔と、銀箔が入ってるぅ」
お酒のボトルをゆっくり、ゆっくり、ドワーフホトお嬢さんが揺らします。
かつて昔の栄華の表現か、現地で見られる星海の表現か、中は食用金箔と銀箔が、比較的たっぷり。
「金は知ってたけど、銀箔も食用ってあるんだな」
スフィンクスも揺れる金銀を、お嬢さんと一緒になって、仲良く眺めます。

ゆっくり、ゆっくり、ゆらりゆらり。
ドワーフホトとスフィンクスが友達になって、ミカンを食べてコタツに入って、
そして一緒に美味しいごはんを食べて寝て、同じ職場で仕事をしている間と同じ期間、
キラキラ金箔と銀箔は、ひとつ同じボトルの中に、ずっと一緒に居たのです。
それはまるで、ドワーフホトとスフィンクスのモチーフだの、象徴だののようです。

ところで
ドワーフホトとスフィンクスが2人で2人の世界を懐かしんでいる間
食いしん坊子狐とナッツ大好きハムスターが
カシャカシャかちゃかちゃ床に爪を断続接触させまくって緊急突撃を決行せんとしていますが
無粋なコンコンとチューチューに対する防波堤を見事に勤め上げておるのが
前回投稿分でお題回収役を勤めた野郎でして。

「ほら。いれるぞ」
コプコプとぷタプタプタプちゃぱぱぱ。
薄琥珀色のお酒がサッパリ柑橘の香りと一緒にグラスに落ちて、金箔銀箔を巻き上げます。
「お星様だぁ」
星が溢れるグラスの景色に、ドワーフホトお嬢さんはうっとり。芸術を静かに見つめます。

おほしさま!おほしさま!カシャカシャカシャ!
コンボルギーニが相変わらず床を爪で引っ掻いて、狐エアドリフトをかましています。
ドワーフホトとスフィンクスの2人の世界ゼッタイ守るマンにポンポンおなかを確保されておるので、ぜったい発車できないのに、ご苦労なことです。

「キレイだねぇ」
星が溢れる柑橘香のワインを、ドワーフホトは数分、じっと見つめておりました。
「そーだな」
ドワーフホトお嬢さんの大親友・スフィンクスもまた、ワインを穏やかな瞳で見つめておりました。
ふたりの記念の年のお酒は1杯2杯、ちびちび少しずつ量が減って、
夜空から星が消えるころ、一緒に1本、すっからかんになりましたとさ。

3/16/2026, 7:13:13 AM