結月

Open App

冬 の 時期 は 、夜空 が 綺麗ですよね 。
てなワケで、星 を テーマ に 小説 書きました。



常に兄と比べられ 生きていた。

どんなに頑張っても兄の隣には並べず
いつだって兄の背中を追い掛ける日々

兄が太陽だとするならば
僕は代わりが幾らでもいる
星屑のようなものだろう。

砕けた所で誰も気付かない。
気付いた所で見て見ぬふりをされる
そんな出来損ないの不良品。

なのにも関わらず 目の前にいる 彼女 は
僕の事が好きらしく 、いつだって
真っ直ぐ に 愛を伝えてくれるけれど

その度 僕 は 愛される資格などないのにと申し訳なくなる。
嬉しい気持ちがないと言えば それは 嘘になるが。


「星 は 何の役 にも 立たないじゃないか」

太陽 みたい に 誰かを暖かく
照らしてる訳でもなくて

月 みたい に 明るく夜道を照らし
誰かの道標になる訳でもない

星 は ただ 光っているだけ

強いて言うなら 月を引き立たせる為の存在でしかない

まるで 、僕みたいだ。



感傷に浸っているのも 、つかの間

「そんな事ないよ」と 彼女 は 言った

どうやら 思った事が口に出ていたらしい。

僕の手を ぎゅっ と
握った かと 思えば

夜空を見上げて

「 考えてみて。どんなに
太陽 や 月 が 明るく 輝いていても
人々 は 星 に 願い を かけるでしょ 」

と 、口にした 。

かと 思えば 、こちら を 向いて

「星はね、希望なんだよ」と 笑う。


その言葉 に 僕 は 吃驚して 目を瞬かせていると


「それにね、

星 を 見れば 、方角 が 分かるから
昔の人 は 星 を 頼り に 動いてもいたし
星 は 太陽 や 月 とは また 違った事 で 役にたつの。
目立ち は しなくても、ひっそりと
誰かの役にたっているんだよ 」

と 、言葉を続けて。


まるで 僕 が 考えていた 事 が 分かっていたかのように
僕 の 存在 を 肯定するかのような 言葉 を 沢山くれた

偶然なのだろうか。分からない。

分かっていようが 、いまいが

その言葉達 の お陰 で 憂鬱だった 思い は 薄れ
気持ち が 軽くなったの には 、間違いない。

だから 、 三文字 に 想い を 込めて 言葉に。

「有難う」と 彼女へ


繋がっている 手 に ぎゅっ と 力を込めた 。 ___

11/17/2022, 1:13:22 PM