SIDE:A
ワタシの名前はアリア。ノルウェージャ
ンフォレストキャットの女の子。見て、
豊かで艷やかなこの毛並、柔らかくしな
やかなこのしっぽ、金色に輝くこの瞳。
どこを取っても一級品よね。我が下僕は
いつもワタシを褒めちぎりながらブラシ
をかけてくれるの。ワタシを撫でながら
至福のひと時を過ごしている下僕を見る
のは、たまらない優越感よね。
時折、窓の外を通り過ぎていくノラネコ
を見かけるけど、いつもこちらを羨まし
そうに見てくるのよ。
残念、ここはワタシだけの楽園よ!
SIDE:B
オレの名前はボス。その名の通り、この
辺り一帯のボスだ。見てくれ、眼光鋭い
この青い瞳、鍛え上げられ引き締まった
この体、誰よりも高く遠く跳び誰よりも
速く走れるこの脚力。どこを取っても完
璧よな。たくさんの慕ってくれる仲間た
ちと日夜パトロールに勤しんでいる。平
和な街を維持出来ているっていうのは、
やっぱり優越感だよな。
最近建ったあの家の横を通り過ぎる度、
羨ましそうにこっちを見てるイエネコと
目が合う。
残念、この自由はオレたちのもんだぜ!
―――ネコとネコ
#10【優越感、劣等感】
7/13/2023, 3:53:37 PM