東京の真ん中にあるオフィスから地下鉄の駅へと急ぐ
階段を足早に駆け降り、下り電車に滑り込む
これで1つ目のスイッチがoffになる
自宅のある駅へ繋がる電車への乗り継ぎがスムーズにいった
ラッキー!
これで2つ目のスイッチがoffになった
電車に揺られながらたまったメールのチェックをしている間に、外の景色が少しずつ長閑になってくる
華やかな広告のネオンの明かりから、マンションのそれぞれの営みがそこにあろう暖かな灯りに変わってくる
僕の降りる駅ももうすぐだ
僕の街の見慣れた灯りが見えてきた
この灯りを見ると何故かホッとする
「やれやれ…」
ここでため息と共に、3つ目のスイッチがoffになり、体の緊張がほどけるのを感じる
「よし、家まであとひと息だ」
改札を抜けた瞬間目の前に広がる街の景色、灯り、匂い…
半日前にここを通っているのに、
毎日同じ繰り返しなのに、
なのに、なのに…
いつもと変わらない街がいつもの様に僕を迎えてくれる
こんな当たり前のことに、毎回僕は鼻の奥がツン!とするような感傷にひたる
そして僕は完全にoffモードになり
家路を急ぐ
この街が好きだ
『街』
6/12/2024, 4:41:24 AM