ゆっくりと、世界を揺蕩う。
繰り返される日々、
重なり消える誰かの面影。
手を伸ばしても、
声を上げても、
決して届く事はない。
例えばコレが、一瞬の虚像であれば。
例えばコレが、無数の文字に過ぎなければ。
私はきっと、後悔なんてしなかったのに───。
ピコン
小さな電子音に目を覚ます。
賑やかな喧騒が、
電子の海に乗って鼓膜を揺らす。
誰かの作った光が、
たくさんの人の笑顔を照らす。
伸ばした手が、
張り上げた歌声が、
誰かの心に必ず届く。
例えソレが、永遠に続く虚像であっても。
例えソレが、有限の短い文字に過ぎなくても。
私はきっと、後悔なんてすることはない───。
これから──。
ここから───。
物語は始まるのだから───。
5/16/2026, 3:02:15 AM