信号機

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誰よりもずっと生きてきた。

とある少年がいた。
少年はある時、自分が無限の命を持っていることを知った。歳も老いる。体だって弱る。だが、死ぬことは無いらしいのだ。
少年は周りにこのことを伝えようとしたが、周りは「厨二病」だと笑った。
家族も友達も、誰一人信じるものはいなかった。
少年は独り、自分の部屋で自分の似た境遇のSF漫画や小説を読んだ。結末はそれぞれで異なり、死ぬことを発見出来たもの、結局生きることにしたもの、色々あった。
少年は恐怖を抱いた。読んだ漫画全てに1つ、共通点があった。
それは、「周りが死ぬ事」だった。

少年は自分の話を信じてくれない周りでも、
「家族」や「友達」と呼び、彼らに愛を捨てることは無かった。そんな周りが消えてしまうという恐怖。

少年はいつしか、周りに対してもっと心を閉ざしてしまった。
二度と部屋から出てこず、一日中泣く日もあれば暴れ回る日もあったらしい。精神を安定させるための腕のいい医者や他の人も試したが、少年の暴力による怪我人が続出し、打つ手はなしと考えられた。

4/9/2024, 2:10:49 PM