不特定多数

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空を見上げて心に浮かんだこと

ああ赤い、赤い。夕暮れよりよっぽど燃えていて、情緒なんてないただの赤。
脳が茹るように熱い。どうせ電気は止まっているし、どこに行っても逃げることはできないから、ベランダでタバコでも蒸すことにした。
周りを見れば泣き叫ぶ人、祈る人、最愛の人と過ごす人もいるのかな。僕は一人で空を見ている。
視界の端で何かが燃えているが、もう頭を動かすのに使う体力さえ残っていなかった。目の前には赤しかない。最後に見るのが星も雲もなにもないベタ塗りみたいな空だとは思わなかったなあ。空って、清々しく青いものだと思ってたけど、こういうのも悪くないかも、なんて。
耳の奥のチリチリした音を聞いている。

7/16/2024, 5:48:52 PM