薇桜(引き継ぎ失敗しました💦)

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 何で君は無理するのだろう。バレないとでも思っているのだろうか。そんなの、ほんのりと赤く染まった頬を見れば、また少し動き回っただろうことなんて、すぐにわかる。
「何してたの。」
「…。」
「僕はここで大人しくしててって言ったよね。」
こくんと君はうなずいた。
「部屋に戻ろう。」
僕は君の手を取った。
「っそれはダメ!私はここにいる。」
触れてわかる。微熱だったはずだけど、完全に上がってる。
「どうして?」
「…助けてって言われたのは、私だから。彼を助けるために、私はもう一度彼と会わなければならない。」
とろんとした目で、でも真剣な表情の君は、一生懸命な人を応援したくなる性分だってことを、僕はまた思い知る。もともと君が微熱だったのは、その性分のせいで大怪我を負い、それによる発熱だというのに。
「シャト君は、私に逆らえないことを、私は知ってる。」
君は静かに、きっぱりと言った。それはその通りで、実力的には君には逆らえないんだけど、
「だってシャト君は、こういう私にも惚れているから。」
無理するところは好きじゃないって言えたらよかったのに、健気なところが可愛くて、僕は何も言えなかった。
「君はずるいね。」
「知ってる。」
なんだか顔と、君に触れる手が熱い。僕も微熱に浮かされているのだろうか。

11/27/2024, 6:47:08 AM