noname

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眩しかった。

日差しに照らされ、瞬きをする貴方が。

どうしようもなく。

ただ、それだけだった。


それだけな、はずだったんだ。


いつからだろうか。
いつからだっただろうか。

その陽射しすら、
その眼差しすら、

まともに見れなくなったのは。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

チリン、
なんていって。

回る風鈴の、
反射した陽射しが、

いつもに比べて、
やけに眩しかった。

目をつぶった。
眩しくて、目を開けられなかったから。

そしたら、
目を開けたら、

そこには、
貴方がいた。

眩しくて眩しくて。
目が眩んで、閉じてしまうそう。

なのに、目は、
貴方だけを捉えていた。


「眩しい?」


なんて聞いてくるもんだから、
「大丈夫」
と返した。

それだけの会話だった。

チリン。
と、また風鈴が鳴けば。

貴方は居なかった。
反射した陽射しは、
いつの間にか、消え失せていた。

夢だったのかもしれない。
幻だったかもしれない。

けど確かに、

陽射しに反射する

貴方の

綺麗な瞳が

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

次の日も、現れた。

天使のような存在だ。

眩しさに、さらに幻覚が見えそうだ。

ほら、翼が生えてそうに……。

バサッ

え……。

「見えた?」

確かにあった。
あってしまった。

しまった?とても綺麗だ。
そんな言い方は。

「翼は、見せちゃいけないんだ」



何かあるのかと、
思った。

そんな、一瞬だった。

けれど、たしかに。
誰でもわかるような、
おかしいな事があった。


風鈴の音もしてなかった。
反射する陽射しも弱かった。
いや、

眩しく、なかった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

angel of light

光の天使

7/31/2025, 10:04:34 AM