ラフロイグ

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そんなつもりじゃなかった。

耳にした…いや、心にブッ刺された刹那の相手の表情が、未だに頭から離れない。
喜怒哀楽が同時に引き起こされたような、ある意味制御不能な顔面。表情筋が不規則に痙攣、収縮、伸長を繰り返す。

『── しまった』

彼女のワナワナが、顔面から体幹に伝わり四肢末端まで転移する。
頬をつたう一涙に、自省の心が私に強烈なドロップキック。

足元を見ると、越えてはならない赤いラインは、疾うの昔に越えていて、28.0cmの半分ほど足がはみ出していた。

走り去る彼女の目から放たれたモノが、私の左手に着地した。

私は未だに、それを拭うことが出来ずにいる。


~ 忘れられない、いつまでも。 ~

5/10/2026, 1:57:04 AM