ハクメイ

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「もしタイムマシーンがあったら、何に使いたいですか?」
そう言ったのは、10代前半程の少年だった。
綿飴をちぎった様な灰色の髪に、金色の眼。
黒のマントが全身を覆い隠し、虫の王国を探索している剣士の様な姿だった。
「えー、うんと。落としちゃったプリンを買う前に戻る。それで、代わりに野菜ジュース買う。あらごし入りの、コンビニ限定なやつ。」
答えたのは、20代前半ほどの女性だった。
カーキの眼に、ベージュの髪を肩下まで伸ばし、少し分厚くて、目の色と同じコートを羽織っている。

「くだらないですねぇ。でも、あれよりはマシだと思います。」
「うん。なんで、合わせちゃうかなぁ。」
「まぁ、強い×ロマンの組み合わせは、最高ですけど。」
二人の旅人は、目の前のそれを改めて見た。
ゴテゴテとした金属は、ドラゴンの形をしていた。
2枚の大きな翼に、前脚と後ろ足。
飛ぶタイプの、火を吐きそうな、そんな典型的な姿。
「なにも、タイムマシーンを、ドラゴンの姿にしなくても…」
「やっぱり、ロマン。だからですかね。」
「裁縫道具かよ。ほら、倒すよー。」
「はーい」
金属を擦り合わせながら、ドラゴンが動き出す。
その姿に物怖じもせず、二人の旅人は戦闘を開始した。

お題『タイムマシーン』×『爬虫類』

1/22/2026, 11:06:45 AM