「絶対大大大大っ親友だよっ! !」
芽衣と夢香はぎっゅっと手を握って言った。
すると、コツンと頭同士ぶつかった。
2人は同士にぷぷっと笑った。
しょうもないことでも笑える、どんなことがあっても
ずっと支えて生きてゆける、それが、芽衣と夢香だ。
上着1枚では寒くなってきたころ、芽衣と夢香は
買い物に出かけていた。
「めぃー、この薄茶色のコート可愛くない?」
「本当だ!めちゃ可愛い〜
ゆめはー…あ!この白いアウターとか!」
2人が話していると、夢香のスマホがビービー
なっている
「あ、ごめん!電話なったから待ってて!」
夢香はスマホを取り出すと、屋外へ走った。
電話に出ると、夢香の母だった。
「お母さん?何かあったの?
今めぃーと買い物してるんだけど」
「あ、ごめんね。でもとても大事な話なの。
少しだけ。詳しくは家に帰ってから電話かけて。
あのね、夢香、貴方は転校することになったの。
今は静岡に住んでるでしょう?
埼玉に引っ越すことになったのよ。」
「えっ、、?なんで…っ?」
「お父さんの仕事でね…
埼玉に行くことになったのよ…」
「…わかった。めぃー待たせてるから。それじゃ。」
コトコトと夢香は室内に戻った。
「誰からだった?」
芽衣が聞くと、夢香は
「お母さんから。」
冷たそうに返した。
芽衣は少し焦ったように
「そ、そうだったんだ」
明明後日の火曜日、学校に行くと、
暗い教室に夢香1人、椅子に座っていた。
「お…はよう…」
芽衣は言ったが、無視。
そして、明るくなってくると、
どんどん教室に人が来る。
先生が来るのは遅かった。
チャイムがなってから、5分たったころ、
まだクラスメイトはわちゃわちゃと話していた。
ガラガラー。
先生は教卓に用箋挟(ようせんばさみ)を
バンと叩きつけて言った。
「はーい、お知らせでーす
来月、橋本 夢香さんが転校することになりました。」
先生が言うと、クラスメイトはえーっ!と驚いた。
それと同時に全員が夢香を見た。
夢香はそっと下を向く。
「夢香…だからあんな性格に…」
芽衣は夢香をちらっと見た。
〜転校当日〜
夢香はいつもの性格に戻っていた。
芽衣が座っていると、夢香が来た。
芽衣は話しかけた。
「本当に転校しちゃうんだね…」
芽衣は涙ながらに話すと、
「うん……でも、私たちはずっと繋がってるから。
それと…泣かないで…?」
夢香も言うと、芽衣は上を見上げる。
すると、夢香の目から透明な涙がこぼれ落ちていた。
「泣かないで」
11/30/2023, 12:25:21 PM