みゆき

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ただ君だけ 

竜胆色の空模様を見つめていた。
その空模様と君に接点なんて無いのに、
どうして君を思ってしまうのだろう。

穏やかな風と共に時間が流れてゆく。
なのに僕の心はそんな風と平行に並んでいない。
風の平行線を超えて、胸を高鳴らせた。

ただ君だけを求めた。
でも君は同じ色の空の下を生きているのに
君の心は僕の色を失ってゆく。

後付けのように交わすキスは「サヨナラ」を
合図しているようで涙が溢れそうになる。
ただ君だけが欲しかった。
他じゃ満たせない愛を君に満たして欲しかった。
今日もまた君とキスを交わす。
僕の恋は続いているのに、まるでエンドロールも
過ぎてしまった気分だった。

ただ君だけは、新しい物語が始まったようだ――

5/12/2025, 10:42:25 AM