名も無き夢小説書き屋さん

Open App

僕の、僕の彼女が死んだ
突然の事だった、トウから電話がかかってきて、
トウ「ホムラ!今やってるニュース、主人公さんじゃないか!?」
ホムラ「なんだい急に、ニュース?彼女がまた人を救ったんだろう?もう慣れたよ…」
トウ「違うっ!この、『女性深空ハンターが突然のワンダラー襲撃に会い、市民を逃がし、死亡…』年齢も、名前が、上の苗字だけ、出たんだが、主人公さんのと、同じなんだ…」
ホムラ「…は、な、なんだいその趣味の悪い冗談は、この前の個展に出席しなかった仕返しかい?
あまりにも、趣味が悪すぎる、言っていいことと悪いことが…」
トウ「そんなわけないだろう!こんなこと、冗談なら、良かったよ…」
ホムラ「…本当に、?」
トウ「…恐らく、今確認を取ってる、そっちからも頼んだ」
ホムラ「あぁ、わかったよ」

結果的に言えば、トウの言った通り、亡くなったのは彼女だった、昨日まで、僕のソファに座って、アイスを食べながらぐだぐだしていて、僕のキャンバスにこっそり小さな子豚を描いていた、彼女が亡くなった。
トウは気を使ってか、1度今入っている依頼を全てキャンセルしたらしい…トウらしくも無い、
葬儀はどうやら親戚だけしか出席できないらしかった、どれだけ頼んで、懇願しても、顔すら見せて貰えなかったよ、はは、神様は意地悪だね。

遺書なんかを用意していたらしい、まるで分かっていたのかな?どうやら僕宛のもあったらしい。
『ホムラへ
これを呼んでいるって事は、私はもう死んだのかな?それとも、隠し場所がバレたとか!?
まぁ、前者の前提で話を進めます。
ホムラ、今までありがとう、愛してたよ』
そこからはずっと愛の言葉ばかりだった、いつも照れてなかなか言ってくれないのに、こんな時だけ、こんなもので…ききたくなかったよ、きみのくちから、ききたかった、っ、!

最後にひと文、裏に書いてあった、
『ねぇホムラ、私の骨はね、あなたの故郷、リモリアの海に撒いて欲しいの、これはほかの人宛の手紙にも書いてあるから、きっとこの手紙と一緒に私の骨が渡されると思う、だからお願い、これが最後のおねだりだよ!』
あぁもちろん、君のお願いならいくらでも、って、いつもなら平然と言えたはずの言葉も、今はただの嗚咽としてしか出てこないよ、

うん分かった、彼女が無くなってから約2週間、ようやく覚悟が着いたよ。
そうと決まれば、!ということで、海にやってきた
5日もかかってしまったよ、途中で君が好きそうなお菓子とか、納豆味のチョコなんて物もあったんだ
思わず買ってしまったね、本来ならこんなもの海に入れるなんてだめだし海の神にも怒られてしまいそうだけど、最期なんだ、餞別として向こうで食べておくれよ。
ホムラ「今までありがとう、僕の、ボディーガード、いや、僕の愛おしい最初で最後の恋人さん」

あれから1ヶ月、今は大して前と変わりなく日常が続いているよ、レッドも元気にしているし、昨日は水換えもした、聞いておくれよ!ようやくレッドの恋人を連れてきてあげたんだ、名前はまだ決めてないけど、何がいいかな、今はお見合い中だよ、君がいたら、レッドに声援を送るんだろうなぁって、
君の代わりに僕が声援を送ってあげてるよ。
ねぇ、レッドも居るし、レッドの恋人もいる、
もちろん僕もいるよ?だからさ、早く生まれ変わって、僕の所へ来ておくれよ、猫でも僕は頑張って君のお世話にしてあげる!だから、会いたいよ…

𝑒𝑛𝑑
彼女だけが居ない、ごく普通の世界

5/9/2024, 9:17:58 AM