初めは小さな小さな点だった。
星なんて見えない曇天のなか、見間違いかと思えるほどの小さな光。
灯台の灯りか船の照明か、どちらかだろうと思っていたけれど、そうではなかった。
暗い海の闇を斬り裂いて進む一筋の閃光。
もの凄いスピードで進むその光は、暗黒の海を照らし雲を、闇を貫いていく。
小さな点だった光はいま、巨大な剣先となって僕に向かってくる。眩しくて目を開けていられない。
――駄目だ。
目を閉じるその瞬間、光は僕と目が合うと·····
笑った。
END
「眩しくて」
7/31/2025, 4:35:52 PM