何の色にも染まっていない無色の世界。
俺の居た世界が嫌い過ぎて、何もかも消えてしまえと神に願ったら本当に消えてしまった。
色がない、音がない、誰もいない、一人だけ。
……ひとりぼっちで、こんな世界をどう生きていけばいいんだ。
まぁ、こんな世界を願ったのは俺だけども。
上を見上げても、空はない。
何も……なさすぎる。
しばらく上を見続けていると、何かが落ちてきた。
カチャンッ!
何もない世界に音が響く。
下を見て、落ちてきた物を確認する。
……ナイフだ。
刃の部分は輝いていて、何色にも染まっていない。
多分、神からの贈り物だろう。
この世界で生きていくか……命を絶つか……選べということか。
ナイフを拾い、首元に当てる。
何もない世界は逆につまらないし、一人だけじゃ生きていける自信がない。
ナイフを勢いよく引くと同時に、濃い赤が首から噴き出す。
ナイフと世界は赤く染まり、この世界は本当に誰もいなくなった。
「……はっ!?」
目を覚ますと、俺はベッドの上で寝ていた。
見慣れた自室、時計の針の音。
色と音がある、いつもの世界だ。
どうやら、俺は夢を見ていたらしい。
最近ストレスが貯まり過ぎて、あんな夢を見てしまったのだろうか?
……やっぱり、色と音がある世界のほうがいいな。
頬を軽く叩き、改めて、自分はこの世界で生きているということを痛みで確認した。
4/18/2026, 10:54:57 PM