近年の君は長袖を着ることが多かった。
日焼けしたくない、なんてお年頃を言って。
なのに明るいレースの窓辺で
手足晒して転寝する君を
馬鹿だなあと思うけど。
その光景があんまりに、
あんまりに眩しいものだから、
未だに何も言えないでいる。
‹半袖›
もしも話は好きじゃない、と
そんな事は分かりきっていて尚
暇だから、なんて雑に投げた話題を
顔顰めながらも地味に真面目に考えて
口開く寸前にテストや賭け事は辞めてねと
言えば案の定また唇が捏ねられる
ふらつく視線が天を床を、
そうして背後に焦点が合って
ならば一つ、と取ってつけたように言う
その先に告げられる言葉を、きっと正確に知っていた
‹もしも過去へと行けるなら›
7/26/2025, 4:20:46 AM