テーマ:遠雷 (一次創作)
四季いちばんの音色【3】
蓮央は中庭のベンチで座っていた。
少し吹いている風が心地よい。
(あの空の様子…雨が降りそうだな)
見上げた空は太陽が出ているが、雨雲が立ち込めている。
そうしていると、見慣れた姿が近づいてきた。
「あっ、蓮央ここに居たんだ」
ゆりあが声をかけ、隣に座る。
あまりにも自然だったので、蓮央は
「お前、隣が男子で緊張とかしないのか?」
と聞いた。すると
「全然、そんなに意識してないわ。今んとこ」
とあっさり答えた。
(今んとこ…)
少し意味深な言葉だが、気にしないことにした。
ゆりあが空を見上げて呟いた。
「この空模様、雨が降るわね」
「まぁ、夏のにわか雨ってところだな」
蓮央が呟いたそのとき、
ゴロゴロゴロ…
遠くの雷の音がした。
2人の間に一瞬沈黙が流れる。
「蓮央、そろそろ行こ。次移動教室だから」
最初に口を開いたのはゆりあだった。
「あぁ、そうだな。天気も悪くなりそうだし」
2人は立ち上がり、校舎に向かった。
雨雲が広がっていく。雷の音も大きくなる。
昼休みのとき…
続く
あとがき:やっと書けました。
前回のテーマも時間を見つけて編集します。
8/23/2025, 11:58:00 AM