渋柿

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砕けた思い出の欠片をたどった。
一緒に二人で行った場所、時間、記憶。
夕方に二人で一緒に歩いたり、遊んだり、ご飯を食べたりした、そんな日常。

壊れた欠片をいくら拾い集めても、もう二度と、もとには戻らない。
あの頃みたいにキラキラと夢中な輝きを放ってはくれない。
そんなことは分かってる。
つなぎ目を合わせたって、このヒビは治らないままなんだって。

それでも、私は辿ることをやめられない。
欠片でも、動かない がらくたでも、いつまでも私の中に残ってほしい。それに浸らせてほしい。

草を踏みしめて、空を見上げた。

あの頃、嘘みたいに澄んでいたあの星空が、今日は遠くで滲んで見えた。

こんなに綺麗な静寂に気づかせないでよ

1/10/2025, 8:57:36 AM