ミキミヤ

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私は、何かに祈ったり願ったりということをしたことがない。努力で全て成し遂げてきた。私が祈ったり願ったりするとしたら、それは過去の自分へか、未来の自分へか、そのどちらかしかない。間違っても、神様とかご先祖様とかお星さまとか、実在も怪しかったり叶えてくれるかどうか不確かだったりするものを拝んだりなんてしない。まして、他人に何か願うなんて、一生することはないだろうと思っていた。

そんな私に、最近努力でどうしようもないことが発生してしまった。三上星矢くん。今、私は彼に惹かれている。彼に振り向いてほしくて、彼好みの女性になろうと、徹底的に調査し、努力し、実践してきた。でも、一向に彼は振り向いてくれない。
友達としてはかなり仲良くなった。放課後2人きりで過ごすことも増えた。でも、彼の中で私はどうやら未だに『ただの友達』カテゴリなようなのだ。一度告白したとき「嬉しいよ、ありがとう。でも、僕にとって嘉納さんは友達だから……ごめんね」と言われたときは、雷に撃たれたような衝撃で、それはもうめちゃくちゃに落ち込んだ。でも、すぐに『彼女がいる』とか『好きな人がいる』とかで断られたわけではないことに気づいて、まだチャンスはあるはず!と私は努力を続けることにした。
トライアンドエラー。何度も何度も繰り返し。それでも三上くんとは友達以上になれない。告白ももう三度。全て最初と同じ理由で断られた。

三上くんは私の中でこんなに特別に、輝く星のように見えるのに、彼の中の私は全然そんなことはないらしい。悔しい。悲しい。もう自分でどうにかできる領域ではなくなってる気がする。
ああ、三上くん、どうか私をあなたの特別にしてください――。眠れぬ夜、私は私の星に願って、きゅうと目を閉じた。

2/11/2025, 12:59:09 AM