お題 : 三日月
どれだけ朝日に目を逸らしていたくても、
どれだけ夕日の閃光が目に刺さっても、
どれだけ夜の静けさが1人を自覚させてきても、
どれだけ、世界が自分を拒もうとも、
この世界でたった一人、君だけは何故か放っておけなかった。
「おはよ〜う!」
昔から太陽そのもののような人だった。正しく、自ら光を発しているかのような明るさ。人によって、臨機応変に対応をする、正に"人によって感じ方が変わる日光"。
「また怪我してるが、頬」
「え?嘘!!!気付かなかった〜」
_______それでも、放っておけなくなる。
放っておいたら、いつの日にか自身の感情が爆発して、周りを巻き込んでしまうような気がしたから。きっとこれも、自分の過保護だと言うのは自覚しているものの。
それに、元の君はきっと"太陽"なんかじゃない。
「はい、絆創膏」
「さっすがぁ!でも貼ってよ、鏡なんか持ってないし」
「はぁ…………………」
渡したはずの絆創膏を受け取って、グシャグシャにしてしまわぬように丁重に扱う。
薄目でこちらの指を見る君を視界の端にいれつつ、いつもの場所に絆創膏を張り付けた。
「ありがと!」
世界を照らしているのではないか、と自称させたくなる程の笑顔。
それでも、自分にとっての解釈は"太陽"なんかに揺れ動かない。
いつも朝登校してきたら作られている痛々しい怪我。それに反して元気すぎる性格に、意外と真面目なステータス、少し天然を匂わせる発言。
________この人は全てが完璧なはずなのに、必ず何処かが抜けているのだ。そして、そんな未完成さにみんなが惹かれる。
もちろん、それは自分だってそうだ。自覚はしてる。
それでも、そんなに誰かを惹きつけていようとも、自ら光ることは許さない。
そう、だから自分とってこの人は_____。
「あーー!!なんかめちゃくちゃ可愛い絆創膏貼られてる!!!」
「鏡持ってるじゃん………」
「借りてるだけだも〜ん」
1/9/2026, 12:29:32 PM