TAO /fiction

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好きな本は、化け物が人をバクバク食べるような、グロい描写のある本だ。

化け物と化け物が、人を取り合って、人がちぎれる。
大きな化け物が人をバクッとひと飲みにする。
小さな化け物が人を少しずつ、ついばむ。

人にフォーカスをあてたら、ひとりひとりドラマがあって、悩んだり笑ったりしていて、家族がいて、友だちがいて、人ひとりが死ぬだけで、多くの人が涙するのに。

化け物はバクバクと人を食べていく。
男だか女だか、わからないうちにどんどん食べていく。

ドラマも涙も笑顔もひと塊になって、あっという間に化け物の腹におさまる。

なんと痛快。

私のこともひと飲みにしてくれ。

ドラマも涙も笑顔も、もういらない。

6/15/2024, 10:02:45 PM