足り過ぎた贅肉

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今日は風も吹いておらず、穏やかな日差しだ。
冬晴れとはまさに天の助けとも言えよう。
昨日までは吹雪が止まず屋敷の周囲も町全体も積もり積もった雪に覆われて、子供達の雪遊びをする声が響いている。

空を見上げ、昼間でも良く見える月を確認し、縁側に火鉢を用意し暖かい格好をしたら、装置の雪を下ろし準備を整える。
この装置は、日の光に指向性を持たせ月に届ける為の鏡だ。
モールス信号の要領で月に光のメッセージを送る。
しばらくすると月側でも同じ様にチカチカと光が帰ってくる。
その光のメッセージを解読し、また光のメッセージを送る。
冬晴れの遮る物が無い空だからこそのやり取りは日の光が許す限り続くのでした。
(冬晴れ)

かぐや姫のオマージュ、月に居るかぐや姫と地に居る爺婆のモールス信号でのやり取り。

1/5/2025, 12:06:33 PM