世界の終わりに君と狂った茶会を開こう。
君はどこにもないブドウ酒を私に勧めて、私は答の無い謎を君に話そう。眠くなるまで退屈な話をして、ハーブティーも飲まずに永遠の時を過ごそう。
耳が良い君は、誰か来てもすぐに気がつくだろうし、手品を見せる私は、誰が来てもすぐに火をつけられるだろう。いつまで経っても冬眠中の小さな友人は、退屈な時間とともにティーポットに閉じ込めて、白いテーブルに絵を描きながら時が進むのを待とう。
世界の終わりに君と舞踏会に出向こう。
君は一等似合う燕尾服で私を迎えて、私は真っ青な棘のあるドレスで君をまとう。十二時の鐘が鳴り響いても、普段通りの姿で夜の喧騒を踊り続けよう。
踊りの上手い君は、死からの誘いも華麗に躱すだろうし、歌を歌う私は、死からの誘いも華麗に薙ぎ払えるだろう。意地の悪いのろまな女達は、他の観客とともに黒い夜へと投げ出して、永遠へと続く恐怖と快楽のワルツをふたりきりで踊ろう。
世界の終わりに、君と。
世界の終わりは、君と。
沢山の幸せを持ち寄って。
永遠の時は、君の。
大切なものを奪って。
世界の終わりに、君と。
何もかも忘れたまま過ごしたかった。
世界の、終わりに、君と!
6/7/2024, 2:19:26 PM