今までありがとう、あなたと私のペア関係は今日でおしまいです。そう告げて長年共に歩んできた相方に別れを告げた。コンビを組み始めたのは今からもう二十年以上も前の話。きっかけはたまたまだったがそれぞれが一人では及ばない相手にもダブルスでなら勝つこともできた。それぐらいお互いにとってのベストパートナーだった。二人いれば技術は磨くことができるし、次の試合に向けての作戦会議をすることだってできた。人数が少ない競技はこういうところが良いよなと二人して笑いあった。進学先も合わせ、そこでもコンビを組み卒業して社会人になっても二人で試合に出続けた。そんな私たちの転機となってしまったのは一つの怪我だった。何のことはない、肉体の衰えだった。安静を言い渡されて競技から離れること数か月、当初はそれほど気にならなかった肉体の衰えが決定的なものになってしまった。これまでだったら打つことができたものが打てなくなる、これは明確なストレスとなった。そして、一人でも身体の維持に努めていた相方との差が埋めがたいものになってしまった。もちろん再び試合に出るために練習を再開した時もあった。しかし、痛みが再発し思うようにいかないことが増えた。だから二人で話し合って次を最後の試合にすると決めた。そして今日、最後はまだ20代前半に見えるペア相手に完膚なきまでに負けてしまった。もちろんこれからも関係が無くなることはないだろうし、全く練習をしなくなることもないだろう。けれど明確な区切りはついた。だから友よ、ありがとう。
11/7/2024, 3:54:19 PM