→短文・早春
ついつい頭を下げて歩く。
意識して視線を上げても、しばらく経つとまた目は地面を追っている。
長く続かない自分の集中力に呆れ、集中しなければ下方修正に陥る自分が嫌になる。
冬の寒さで身がすくむ毎日に、余計な落ち込みをしてアスファルトにため息一つ。も一つ頭も落ちる。
トボトボ歩く目端に、道路脇に咲く青い花が飛び込んできた。季節を先取りしたような青い空の花弁が鮮やかに私の目を奪う。
相も変わらず地面追いの、私のまぶたの裏に、小さな一輪の花の青色が焼き付いた。
もうすぐ春が来るのだな。
テーマ; 一輪の花
2/25/2025, 3:17:27 AM