【新年】
「はぁ〜、新年ってちょっとスッキリするよな」
こたつに頭以外の全身を入れ、寝そべりながら君は脱力していた。
僕たちは暖房が効いた部屋で一日中ゴロゴロしている。新年早々神社に行くわけでもなく、かといって家の大掃除をするわけでもなく、ずっと。
僕はダラダラしている君を見て、みかんを食べるのに夢中だった口を、喋る方に使う事にした。
「僕もそんな感じがする。なにか気持ちがリセットされるみたいな、そんな気分になるよ」
「だよな〜」
会話が終わると同時に、君はこたつの中に顔をすっぽり埋めた。熱くないのかそれ……
そんな事を思いつつ、僕は番組を変えようとリモコンを手に取る。
……しかし、あまり自分の興味がある番組が見つからなかった。
「ま、新年ってそんな感じだよな……」
そんな事を呟いた。
その瞬間、僕は体を力強く掴まれる。
「うわっ?!」
こたつの方に体を半分引きずり込まれたところで、少し君の顔がこたつから出ている事に気づいた。
「驚いたじゃないか……一体何をしているんだい?」
「はは、こたつから顔出したら、お前のつまんなそーな顔が見えたもんで」
「……次からはもっと優しくしてくれよ」
「はーい」
そう君に注意をし、僕は君と同じように、こたつに体半分を入れて寝転がった。
「……僕、ここで寝れるかも」
「おい寝るなよ!まだ昼にもなってないからな!」
君は笑いながら僕を眺める。
「……」
少し眠くなってきた僕も君と向かい合うように寝転がり、君を見つめる事にした。
「な、なんだよ。そんなに俺の事見て」
そんなに俺、カッコよかったか?と自画自賛をしている。
……そういえば、君は照れた時、少しナルシストっぽくなる癖があったよな。
そう思うと可愛い。
「あのさ」
僕は口を開く。こんな真正面で伝えるのは初めてかな。
「……なんだ?」
「改めて、新年明けましておめでとう。……そして、今年もよろしくね」
君は、なんだそういうことかよ、と苦笑を浮かべると、そのまま君も、真正面で僕に伝えた。
「こちらこそ。今年だけじゃなくて、これからもずっと、よろしくな」
1/1/2025, 12:34:07 PM