題名:静かな終わり
心臓がバクバクした。
それは終わりを告げるチャイム。
あなたは笑って、手を伸ばしてる。
差し伸ばした自分の手を、引っ込めたんだ、私は。
首をかしげて、あなたは言った。
「ねぇ、なんで?」
何も答えられずに、適当なひらがなを言って誤魔化した。
あなたの笑顔は、徐々に壊れるんだ。
もう一回、もう一回、手を差しのばして良いですか?
そうね。ダメでしょうね。
記憶なんてないんだよね。
なんで手を差し伸ばしてたかだなんて。
記憶なんてないんだよね。
なんで手を引っ込めたかだなんて。
記憶なんてないんだよね。
なんでこんなことになったかだなんて。
あなたはもういないんだ。
そう思いながら、そう忘れていきながら、
全てはなかったかのように終わるんだ。
現実ってそういうものでしょう?
だって、誰かがその日死んでも、有名人とかではなければ、何も知らずに終わるんだから。
まぁ別に、知らないまま終わっても良いけど。
12/29/2025, 12:04:59 PM