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木枯らし

「今日は風が強くて寒いね」
彼と一緒に、彼の家族であるワンちゃんの散歩に出た。
「そうだね。木枯らし1号が吹くかも。って言ってたな」
そう言いながら、私の右側にいた彼が左側に移る。
「?」
何で移動したのかな?と首を傾げていると、絨毯のように敷き詰められた木の葉が、舞い上がるくらい強い風が吹いた。
「わっ…あれ?」
木の葉が舞い上がるくらい強い風なのに、私はほとんど風を感じていないことに気付く。
「どうかした?」
私に笑顔を見せる彼の髪が、風に揺れているのを見て
「ううん、何でもない」
彼が、風から私を守るために移動したと知る。
「寒いから、手をつないでもいい?」
「うん」
彼に、ありがとうと大好きの気持ちが伝わるように、私は彼の手をギュッと握ったのだった。

1/18/2026, 7:28:38 AM