時計の針
時計が好きだ。
アナログ時計のカチッカチッというリズミカルな音が好きだ。
秒針の立てる音を聞くとはなしに聞ききながら、物思いに耽るのも良い。
気早な性分で、気がつくとオーバーペースになってしまう自分にとって、あの音とリズムは、ゆったりと落ち着きを取り戻すのにも良いものだ。
会話のテンポ、歩調、間。
整ったリズムは心地よい。
それは、朝、駅へ向かう途中。
同じ時間、同じ場所で同じ人たちとすれ違う。
顔は知っているが名前は知らず、毎朝挨拶を交わすだけの関係が出来上がる。
その関係にもちょっとしたドラマがあり、それが思いの外心地よい。
それは仕事。
予定通り片付くと、だんだん調子も上がっていく。
まるでパズルのピースのように、ピタッとはまる面白さ。
しかし、それは二面性を持つ。
一端「時に支配されている」と感じると、心地よかったものが、途端に窮屈な枷(かせ)と化す。
そんな時はペースを変える。
すると、これまで見えなかった世界に出会えたりする。
もしかしてそれが、時計の針が一回りして、時が繰り上がる事の意味だったりしてね。
2/6/2024, 2:06:29 PM