再会の日、君は春の空を見上げていた。僕は君の横顔を眺めた。君の耳元で揺れる真珠が、少しの間、時を忘れさせる。挨拶の言葉も交わさずに、そのままでいた。でも、空の色は変わらず、期待と失望が無言の中で淡く消えそうになる。君は僕を見つめ返した。僕は真珠から視線を離し、やっと口を開いた。「やぁ、元気だった?」「元気よ。あなたも?」「うん、いろいろあったけど」そして、空は桜の花びらで色づき始めた。「元気かな」
4/9/2025, 11:42:33 PM