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 ポットのお湯をゆっくりと注いで、コーヒーをいれる。ミルクを入れて、いつもより丁寧にかき混ぜる。こぼれないように席まで運んだら、椅子に深く座って大きく息をつく。

 熱いコーヒーをゆっくりと飲む。何ともいえない苦みが口に残る。机の上の汚れが気になった。ティッシュを手に取って拭く。積み重ねられた資料の山も、まっすぐに整える。ついでに、机周りの整理なんかもごそごそとしたりする。

 「一段落したんですか?」と声をかけられる。そう見えるだろう。本当は、なかなかやる気になれないでいる。どうしようもなくぎりぎりに追い込まれるまで、逃げているのだ。


「現実逃避」

2/28/2026, 9:27:09 AM