子どもの頃、
夏休みを利用して、
家族で祖父の家に行くのが好きでした。
玄関は、昔ながらの木の引き戸。
最初に入る応接間の、毛足の長いソファー。
寝転がって、よく本を読んでいたものです。
書斎には、分厚い背表紙の古書がいくつも並んでました。
カチッカチッと、時間を刻む振り子時計。
ウエストミンスターのチャイム音が、
より一層、夢見心地をくすぐります。
寝床がある2階が、
小さな私には、特に大好きな場所でした。
夜には、花火が見えることもあります。
スターマインが、
幻想的な夏の一夜を彩ります。
朝、窓を開けた先に松林。
松林の向こうの海を目に浮かべ、大きく深呼吸。
今でも、
窓の向こうの景色には、
あの頃の景色と出会える日を夢みる、
わたしなのです。
7/2/2024, 10:06:22 AM