題名:刹那
『瞬きする頃、君はいない。』
君と隣の席になっても、頭の中で君を考える事は無かったんだ。
心が打ち解けた時、一日に一回君を思い出していた。
会話を重ねていく内に、君のことを一秒でも忘れたことはない…なんていうのは嘘だけれど、僕の頭の真ん中に君はいたんだ。
君が笑うと、僕も笑って、君が泣くと、僕も泣いて、心が通じ合っていると思った。
君が僕を呼んで、告白してくれた時。その返事はもちろん…………
その時、僕は瞬きをしたんだ。
目を開けると、君はどこにもいなかった。
景色は夕暮れではなく、病室の天井だった。
家族や医者が喜んでいるのを、僕は憎たらしく見ていた。
何もかもが遅かった。
君に早く告白ができていれば良かった。
君は、一秒も経たずに消えた。
刹那。
4/28/2026, 12:29:54 PM