こんな夢を見た。昼食をとり、満腹になったので横になっていた。微睡みの中でふと私は思った。そうだ、図書館へ行こう。私は着替えをし、そのまま図書館へと向かった。館内に入り、本を探す。キョロキョロとしていると、あるポスターが目に入った。
『世界の全てを知りたい方は受付まで』
そのポスターには、真っ黒な背景に白い文字でそれだけが書かれている。よく分からないが、何だか興味をひかれる文言だ。私は受付へ向かい、あのポスターについて尋ねてみた。
「あれは滅多に出てこないポスターなんですよ。運が良いですね。では、ついてきてください」
司書の後をついていくと、閉架書庫に着いた。
「この中に世界の全てを記した書籍があります」
司書は本棚の横にあるタッチパネルを素早く操作する。すると、本棚はゴゴゴ…と音を立て移動し通路が出来た。
「入らず待っててくださいね。中は危ないので」
司書は通路をスタスタと歩き、すぐに見えなくなった。それから、数分もしない内に司書は一抱えもある分厚い本を持って帰ってきた。
「これです」
司書は本の埃を軽く叩き、近くの机に置いた。
「ここで必ず読んでください。持ち出し禁止なので」
イスに座り、私は本を観察する。本は革製で、四隅に金色の金具がつけられている。栞はついていないようだ。持ち上げるが、かなり重い。これを軽々と持ってきた司書はきっと普段から鍛えているのだろう。ページに折り目が付かないように、私は読み始めた。文字を目にした瞬間、私の頭は瞬時に内容を理解した。読むのではなく、頭に情報を直接書き込まれているかのよう。面白くて、ページをめくる。大量の情報が入ってくるが、私の頭はパンクする気配はない。もっと知りたいという欲求だけが、私のめくる手を動かしている。次は宇宙の仕組みについてだ。これにはどんなことが…。
「これ以上は駄目です」
司書の声がピシャリと響き、私の手は司書の手によって押さえつけられた。
「知りすぎるのは良くないんですよ」
司書は手際よく私の手から本を抜き取った。
「知りたいことがあったらまたご利用ください」
司書は本を抱え、通路の向こうに消えた。何だか興奮が冷めて、私は司書に連れられ閉架書庫から出た。帰宅後あの本を読んだ時の興奮が蘇り、私は身悶えした。まさか、勉強嫌いな私に知識欲があるとは思わなかった。あの本が読めるのはいつなんだろう。続きが読みたくてたまらない。よし、毎日通おう。そしたら、また…。
3/12/2026, 2:53:27 PM