幼い頃、両親からのプレゼントでぬいぐるみをもらった。今日からあなたのお友達よ、なんてよくある言葉ごとを素直に受け取り常に一緒に過ごした。
どこに行くにも一緒、風呂やトイレは扉の前で待っててもらった。一緒にいたい、いるべきだ、いなければいけない。誰に何を言われようと決して離れない。友達なのだから当然でしょう。
でも歳をとるにつれてみんな変わってしまった。
母親のヒステリックな叫びと父親の躾、クラスメイトの勝手な言い分から友達を守り続けた。何度引き裂かれても捨てられても直して探し出してずっと一緒にいる。
もう何日もごはんを食べていない。腫れ上がった頬と躾された身体が痛い。担任に引きずられて知らない人たちと病院にいってそのまま閉じ込められた。だけど友達が一緒だから怖くない。殴られるのも女の子の躾もつらくない。
だから、だから、友達を連れて行かないで。私だけの友達なの、何もおかしくない。
――友達はずっと一緒でしょう?
【題:友達】
10/25/2024, 2:52:23 PM