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盛夏の学校帰り
暑い暑いと文句を言いながら
体操着の半ズボンを仕込んでいるのをいい事に
人目も気にせずスカートを煽ったよね
帰路の途中にある神社を気まぐれに参拝したり
背丈よりずっと高い向日葵が咲いているのを
見つけては2人で見入ったよね

真冬の学校帰り
息が白くなると君ははしゃいで
空に息を吐いては僕に見せたがって
隣で寒い寒いと震える僕に
手を差し伸べてはこっそり繋いで
あったかいねと笑ったよね


この場所から君は居なくなってしまって
僕はこの場所で生きていくと思っていたけど
ふとした瞬間に君の笑い声やポニーテールの先が
ありありと浮かんでくるから
それは酷く困難で
僕はこの場所で生きるのを諦めた

2/11/2023, 5:44:25 PM