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 信頼しあう二人が、心と心を重ねないと使うことが出来ない剣がある。
 子供の頃にそんな事を聞いて、そんなカッコいい剣を使いたいと思った。
 それを親に言うと、信頼出来る人が出来たら使わせてくれると約束してくれた。
 それを真に受け、信頼出来る人を探した。
 子供だったのだ。

 けれど、簡単に見つからないからこそ、信頼というのは尊い。
 それに気づいた大人になってからも、探し続けたが見つかることはなかった。
 諦めかけたその時、彼女に出会った。

 初めて会った時は、ただの知り合いの知り合いだった。
 だが、何回か会い、話をしているうちに意外にも話が合い意気投合した。
 そして信頼関係を築くのに時間はかからなかった。

 彼女と出会った2年後、ついに例の剣を握れる日がやってきた。
 そのとき、初めて剣の話をした。
 馬鹿にされると思ったが、実は自分も…と言って恥ずかしそうにしていた。
 似た者同士のようだ。

 式は順調に進み、係の者から例の剣が渡される。
 一緒に頑張ろうね。
 彼女は俺だけに聞こえるようにささやく。
 彼女と一緒にこの日を迎えたことを、心の底から嬉しく思った。

「次は、新郎新婦のケーキご入刀です。
 皆様、ご祝福下さい」

12/13/2023, 9:37:02 AM