君と歩く秋の夕暮れ、金木犀の甘い香りが僕の心を過去の淡い片恋の想い出へと向かわせる。行かないで、お願い。幼すぎて言えなかった願いは叶わずに、君は両親に手を引かれて引っ越してしまった。ジェット機の音を追いかけて空を見上げると、金木犀の鮮やかなオレンジ色が陽光に反射して眩しく揺れていた。成人して、君は僕が住むこの街へ帰ってきた。僕が見上げたあの金木犀が植えられた家へ、今日から僕と君は一緒に住むんだ。キンモクセイ
11/5/2025, 2:48:03 PM